たまゆらのなかのとわ

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家族

姉は道々の上 稀に出会う 容姿が奇態な人のことを さぞ憎らし気に私に話してみせた

ただ目に入っただけのその人を なぜあの様に感情を込め憎らし気に言えるのか 

人間の中に備わっている何かに触れ 理性を乗り越え反射的に発せられている様にも見えた

私は不思議であったが いつもその話を 同調の表情で聞いた それが姉への礼儀だと感じていたし 

否定し自らの考えを伝える勇気がなかった

私だってその場に居たら驚くであろう しかしそれは驚きであって憎しみではない

私が憎しみに近い感情を抱く時 それは理性を持って確信的に他を侵略し至らしめようとする人の言動だ

例え自らと無関係の事象であっても込み上げるもの 

それは正義感と言うものなのか それともその端くれなのか



母は気の強い人で ただ気が強いでは表現できない憤死の核を その内面にいつも燃やしていた

優しいかと思いきや その数分後には竹刀や素手で叩かれる 止まらない罵声 命令 破壊

捨て猫を拾う愛を持っていながら 動物を死に至らしめる残酷さを持っている人だ

終始彼女の顔色を窺っていたが 全てを予測し回避する術を・・・ 家を出るまでに見つけることは出来なかった 

いや家を出ても彼女は追いかけて来た そして何かを破壊しようとした



姉はその母の複製に見えた 母ほどの暴力性は無いにしても 性質はよく似ていた


父は家族の繁忙期に働かず 私はよく借金取りから 父の居留守を守った

父は暴力的ではなかったが 母がよその男性に借金をしてまでお金を渡した時 

大声で怒鳴り母を叩こうとした 私は怖くて布団の中にいた

姉は必死でそれを止めていた 私は姉に頼るしかなかった 



姉と私の間には もう一人の私の姉がいる 彼女には軽度の知的障がいがある 

軽度でも限りなく中度に近い軽度だ 彼女は親からも支援を受けることなく 中学を出たら工場で働いた

父が働かないので 私はそのお給料で育った 

拙いながらも明るい楽しい姉でありましたが 度重なる心労で大人になるころには精神病を患ってしまった

それでも母はその病名を否定し ただのノイローゼだと言い張っていた そして姉を叩いた

姉が幻聴と幻覚の中にいることを 確信した時 姉の治療が始まった


本当はもっと悍ましいことがあった その一部は現在も進行形だ もうこれ以上書けないけど

それでも私の中には この家族への愛着がある この家族という事象に どうして決着をつけるのかわからない

書きたいけど 書けない事がいっぱいある 

この歳になっても 家族を思う時 私は子どもの様に泣いてしまう

そういう日が周期的にやってくる 巡る季節の様に